ピアノを所有するとなると、忘れてはいけないのが「調律」です。調律とは、ピアノの音程や音色、弾き心地を整える作業のことで、定期的に行うことでピアノの寿命を延ばし、正しい音感を身に付けることができます。では、ピアノの調律はどのくらいの頻度で行うべきなのでしょうか?この記事では、ピアノの調律の必要性と、適切な調律の頻度について解説します。
ピアノの調律の必要性とは?
ピアノの調律は、人間でいうところの健康診断のようなものです。ピアノは時間の経過とともに、弦の張力や鍵盤の動き、金属部品やフェルトの劣化などによって、音程や音色、弾き心地が変化してしまいます。そのままにしておくと、狂った音程でピアノを弾くことになり、ピアノの練習にも悪い影響が出てしまいます。また、ピアノの寿命も縮まってしまいます。調律をすることで、これらの問題を防ぎ、ピアノの状態を良好に保つことができます。
調律をするとどうなるの?
調律をすると、次のような効果があります。
- 正確な音程を維持できる
- 音色や音質を整えることができる
- 弾き心地を改善できる
- 金属部品の錆びやフェルトの劣化・虫食いを防げる
- ピアノの寿命を延ばせる
調律をすることで、ピアノの音や演奏感を向上させるだけでなく、ピアノのメンテナンスにもなります。調律を怠ると、ピアノのトラブルにつながりやすくなり、修理費用がかかったり、買い替えの必要に迫られたりする可能性もあります。調律をすることは、ピアノの価値を高めることにもつながります。
ピアノの調律をすべき頻度は?
一般的には、年に1回程度の調律が推奨されています。しかし、ピアノが置かれている環境や使用頻度によっては、さらに多くの頻度で調律が必要な場合もあります。また、購入してから1~2年の新品は、弦の張力の変化が大きく音が狂いやすいため、年に数回実施することもあります。以下に、調律の頻度に影響する要因をいくつか挙げます。
環境
ピアノは温度や湿度の変化に敏感です。温度が上がると弦が伸びて音が高くなり、温度が下がると弦が縮んで音が低くなります。湿度が高いと木部が膨張して音が低くなり、湿度が低いと木部が収縮して音が高くなります。これらの変化は、弦の張力や鍵盤の動き、金属部品やフェルトの劣化などにも影響します。そのため、季節による気温差や湿度差が大きい部屋や、エアコンや床暖房などの空調設備がある部屋では、調律の頻度を増やす必要があります。理想的な温度は15~25℃、湿度は40~60%です。
使用頻度
ピアノを弾くことも、ピアノの状態に影響します。ピアノを弾くと、弦にハンマーが当たって音が出ますが、その衝撃で弦の張力が変わります。また、鍵盤やペダルなどの動きも、使用頻度によって摩耗やずれが生じます。そのため、ピアノをよく弾く人や、ピアノ教室などで多くの人が弾く場合は、調律の頻度を増やす必要があります。逆に、ピアノをほとんど弾かない場合でも、調律をしないで放置するのは良くありません。ピアノは弾かないと、弦の張力が低下し、音程が大きく下がってしまいます。その状態から、音程を戻す作業は、ピアノに負担がかかります。また、ピアノの各部品も動かないと、固着したり、錆びたりする恐れがあります。ピアノを弾かない場合でも、年に1回は調律をすることをおすすめします。
まとめ
ピアノの調律は、ピアノの音程や音色、弾き心地を整える作業で、定期的に行うことでピアノの寿命を延ばし、正しい音感を身に付けることができます。一般的には、年に1回程度の調律が推奨されていますが、ピアノが置かれている環境や使用頻度によっては、さらに多くの頻度で調律が必要な場合もあります。調律を怠ると、ピアノのトラブルにつながりやすくなり、修理費用がかかったり、買い替えの必要に迫られたりする可能性もあります。調律をすることは、ピアノの価値を高めることにもつながります。ピアノを大切にするためにも、適切な調律の頻度を守りましょう。