ジョニー・ホッジスは、ジャズの歴史において最も優雅で美しいアルトサックスの音色を持つと言われる。彼はデューク・エリントンのオーケストラの重要なメンバーとして、長年にわたって活躍した。彼のサックスは、エリントンの楽曲に華やかさと感動を与えた。彼はまた、エリントン以外のミュージシャンとも共演し、多くの名盤を残した。その中から、特におすすめの5枚を紹介する。
1. Everybody Knows Johnny Hodges (1964)
ジョニー・ホッジスのリーダーによるクインテットのアルバム。このアルバムでは、ホッジスのサックスが主役となって、エリントンの曲やオリジナル曲を中心に演奏している。ホッジスのサックスは、甘くて切ない音色で、聴く者の心をとらえる。トランペットはカット・アンダーソン、ピアノはハンク・ジョーンズ、ベースはリチャード・デイヴィス、ドラムはオリヴァー・ジャクソンが参加している。エリントンの影響を受けつつも、ホッジスの個性が光るアルバムだ。
代表曲: Everybody Knows, I Wonder Why, All of Me
2. Back to Back: Duke Ellington and Johnny Hodges Play the Blues (1959)
デューク・エリントンとジョニー・ホッジスの共同リーダーによるセクステットのアルバム。このアルバムでは、エリントンとホッジスがブルースを中心に取り上げている。エリントンのピアノとホッジスのサックスは、互いに深い理解と尊敬を持って、ブルースの魅力を引き出している。トランペットはハリー・エディソン、ギターはレス・スパン、ベースはアル・ホール、ドラムはジョー・ジョーンズが参加している。ジャズの巨匠たちが繰り広げるブルースの名演奏が楽しめるアルバムだ。
代表曲: Wabash Blues, Basin Street Blues, St. Louis Blues
3. The Big Sound (1957)
ジョニー・ホッジスのリーダーによるオクテットのアルバム。このアルバムでは、ホッジスがビッグバンドのサウンドを小編成で再現しようと試みた作品である。ホッジスのサックスは、ビッグバンドのアレンジに合わせて、力強くて華やかな音色で歌っている。トランペットはハロルド・ベイカー、トロンボーンはクインシー・ジョーンズ、テナーサックスはジミー・ハミルトン、バリトンサックスはハリー・カーニー、ピアノはビリー・ストレイホーン、ベースはジミー・ウッディ、ドラムはサム・ウッディが参加している。ビッグバンドの魅力を小さく凝縮したアルバムだ。
代表曲: The Last Time I Saw Paris, On the Sunny Side of the Street, A Pound of Blues
4. Johnny Hodges with Billy Strayhorn and the Orchestra (1962)
ジョニー・ホッジスのリーダーによるオーケストラのアルバム。このアルバムでは、ホッジスがビリー・ストレイホーンのオーケストラと共演している。ストレイホーンはエリントンのパートナーとして、多くの名曲を作曲した人物である。ホッジスのサックスは、ストレイホーンの楽曲に溶け込んで、美しくて感動的な音色で歌っている。オーケストラのメンバーは、エリントンのオーケストラから選ばれた人々である。エリントンの世界をストレイホーンの視点から見たアルバムだ。
代表曲: Day Dream, Passion Flower, Good Queen Bess
5. The Rabbit in Paris (1950)
ジョニー・ホッジスのリーダーによるカルテットのアルバム。このアルバムは、ホッジスがエリントンのオーケストラと一時的に別れて、パリで録音した作品である。ホッジスのサックスは、エリントンのオーケストラの束縛から解放されて、自由に飛び回っている。ピアノはレイ・ナンス、ベースはオスカー・ペティフォード、ドラムはグラディ・テイトが参加している。ホッジスの個性が最も際立ったアルバムだ。