・ジャズピアノ練習法(ソロピアノ・アドリブ・コード編)
・ビバップ常套句1377

ジャズピアノレッスン

ホレス・シルバーの名盤5選 | ジャズピアノのはじめかた

ジャズの歴史において、ホレス・シルバーはハードバップというスタイルを確立した重要なピアニストであり、作曲家であります。彼の音楽は、ブルースやゴスペル、ラテンなどの要素を取り入れた、グルーヴィでメロディアスなものでした。彼は自身のカルテットやクインテットで多くの名曲を生み出し、ジャズの名手たちと共演しました。彼の作品は、今でも多くのジャズファンやミュージシャンに愛されています。ここでは、彼の代表的なアルバムの中から、5枚を紹介します。

Song for My Father (1964)

ホレス・シルバーの代表作として最も有名なアルバムです。

このアルバムは、彼の父親に捧げたタイトル曲をはじめ、彼のルーツであるポルトガルやケープベルデの音楽を取り入れた作品です。タイトル曲は、シンプルながらも印象的なメロディと、ラテン風のリズムが特徴的です。この曲は、後にスティーリー・ダンやスティーヴィー・ワンダーなどにもカバーされました。他にも、サックス奏者のジョー・ヘンダーソンが参加した「The Natives Are Restless Tonight」や、「Lonely Woman」などの名曲が収録されています。

The Jody Grind (1966)

ホレス・シルバーの最もファンキーなアルバムの一つです。

このアルバムは、彼のクインテットのメンバーが一新された後に録音されました。トランペットのウディ・ショウ、サックスのタイリー・グリーンリー、ベースのラリー・リドリー、ドラムスのロジャー・ハンフリーという若手の才能が集まりました。彼らは、ホレス・シルバーの作曲したファンキーな曲に、熱くてスピーディーな演奏を加えました。タイトル曲は、スライド・ハンプトンの曲をアレンジしたもので、ホレス・シルバーのピアノソロが光ります。他にも、「Mexican Hip Dance」や、「Grease Piece」などのグルーヴィな曲が聴けます。

Serenade to a Soul Sister (1968)

ホレス・シルバーのソウルフルなアルバムの一つです。

このアルバムは、彼のクインテットのメンバーが再び変わった後に録音されました。トランペットのチャールズ・トロルミー、サックスのスタンリー・タレンタイン、ベースのボブ・クランショウ、ドラムスのミッキー・ローカーという実力派が参加しました。彼らは、ホレス・シルバーの作曲したソウルフルな曲に、感情豊かな演奏を加えました。タイトル曲は、彼の恋人に捧げたバラードで、美しいメロディと、チャールズ・トロルミーのトランペットソロが印象的です。他にも、「The Soul Sister」や、「Psychedelic Sally」などのカッチーな曲が聴けます。

That Healin’ Feelin’ (1970)

ホレス・シルバーの宗教的なアルバムの一つです。

このアルバムは、彼が自ら創設した宗教団体「The United Church of Religious Science」の信仰を反映した作品です。彼は、自分の音楽を「ミュージカル・スピリチュアル」と呼び、人々の心と体を癒すことを目指しました。このアルバムには、彼のクインテットのメンバーに加えて、ボーカルのアンディ・ベイやサル・ナイストロなどが参加しました。彼らは、ホレス・シルバーの作曲した宗教的なメッセージを含む曲に、熱狂的な演奏と歌を加えました。タイトル曲は、彼のピアノとアンディ・ベイのボーカルが交互にリフレインする、ゴスペル風の曲です。他にも、「Acid, Pot or Pills」や、「Peace」などのメッセージ性の強い曲が聴けます。

Silver ‘n Brass (1975)

ホレス・シルバーのブラスセクションを加えたアルバムの一つです。

このアルバムは、彼のクインテットにトランペット、トロンボーン、フレンチホルン、チューバというブラスセクションを加えた、10人編成のビッグバンドで録音されました。彼は、自分の過去の曲を再アレンジして、ブラスセクションの魅力を引き出しました。このアルバムには、彼の代表曲の中から、「The Cape Verdean Blues」や、「Song for My Father」などの5曲が収録されています。これらの曲は、ブラスセクションの豊かなハーモニーと、ソロイストの華やかな演奏によって、新たな魅力を放ちます。

まとめ

ホレス・シルバーは、ジャズの歴史において、ハードバップというスタイルを確立した重要なピアニストであり、作曲家でありました。彼の音楽は、ブルースやゴスペル、ラテンなどの要素を取り入れた、グルーヴィでメロディアスなものでした。彼は自身のカルテットやクインテットで多くの名曲を生み出し、ジャズの名手たちと共演しました。彼の作品は、今でも多くのジャズファンやミュージシャンに愛されています。ここでは、彼の代表的なアルバムの中から、5枚を紹介しました。これらのアルバムは、彼の音楽の多様性と、創造性を示すものです。ぜひ、聴いてみてください。