・ジャズピアノ練習法(ソロピアノ・アドリブ・コード編)
・ビバップ常套句1377

ジャズピアノレッスン

デューク・エリントンの名盤5選 | ジャズピアノのはじめかた

1. Ellington at Newport (1956)

このアルバムは、1956年に行われたニューポート・ジャズ・フェスティバルでのデューク・エリントン楽団のライブ録音です。このライブは、デューク・エリントンの人気を再び高めるきっかけとなりました。特に、テナーサックス奏者のポール・ゴンザルヴェスが27回ものコーラスを繰り広げた「Diminuendo and Crescendo in Blue」は、観客を熱狂させました。このアルバムは、デューク・エリントンのバンドの緊張感と自由度、そしてジャズの魅力を感じることができる名盤です。

2. Such Sweet Thunder (1957)

このアルバムは、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンが共同で作曲した、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲にインスパイアされた組曲です。12曲の楽曲は、それぞれシェイクスピアの登場人物や場面を表現しています。例えば、「Such Sweet Thunder」は「真夏の夜の夢」のオベロンとティターニアの関係を、「Sonnet for Caesar」は「ジュリアス・シーザー」のブルータスの苦悩を、「Lady Mac」は「マクベス」のレディ・マクベスの野心を描いています。このアルバムは、デューク・エリントンの豊かな音楽的想像力と、シェイクスピアの文学的な魅力を融合させた傑作です。

3. Black, Brown and Beige (1958)

このアルバムは、デューク・エリントンが1943年にカーネギー・ホールで初演した、アフリカ系アメリカ人の歴史をテーマにした組曲の録音です。この組曲は、黒人の奴隷化、解放、移民、市民権運動などを音楽的に表現しています。例えば、「Work Song」は、奴隷たちの労働の様子を、「Come Sunday」は、彼らの信仰心を、「West Indian Dance」は、カリブ海からの移民の文化を描いています。このアルバムは、デューク・エリントンの社会的なメッセージと、黒人のアイデンティティを反映した音楽性を示す重要な作品です。

4. Far East Suite (1967)

このアルバムは、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンが1963年に行った中東やアジアのツアーの経験をもとに作曲した組曲です。9曲の楽曲は、それぞれ訪れた国や地域の風景や雰囲気を表現しています。例えば、「Bluebird of Delhi」は、インドの首都の鳥のさえずりを、「Isfahan」は、イランの美しい都市の魅力を、「Ad Lib on Nippon」は、日本の伝統と現代の対比を描いています。このアルバムは、デューク・エリントンの旅の印象と、東洋の音楽の影響を取り入れた創造性を示す傑作です。

5. And His Mother Called Him Bill (1968)

このアルバムは、デューク・エリントンがビリー・ストレイホーンの死後に録音した、彼の追悼アルバムです。ビリー・ストレイホーンは、デューク・エリントンのパートナーとして、多くの名曲を共作しました。このアルバムには、彼の代表作である「Take the “A” Train」や「Lush Life」などが収録されています。また、デューク・エリントンは、ビリー・ストレイホーンの愛称である「Swee’ Pea」にちなんで、「Blood Count」という曲を作曲しました。このアルバムは、デューク・エリントンの友情と敬愛と、ビリー・ストレイホーンの才能と遺産を讃える感動的な作品です。