・ジャズピアノ練習法(ソロピアノ・アドリブ・コード編)
・ビバップ常套句1377

ジャズピアノレッスン

チャーリー・パーカーの名盤5選 | ジャズピアノのはじめかた

ジャズの歴史において、チャーリー・パーカーは欠かせない存在です。彼はビバップと呼ばれる革新的なジャズスタイルの創始者の一人であり、その驚異的な即興演奏は多くのミュージシャンに影響を与えました。彼の短くも激しい生涯には、数々の名盤が残されていますが、その中から5枚を選んで紹介したいと思います。

1. Bird and Diz

ビバップの精髄

パーカーともう一人のビバップの巨匠、ディジー・ガレスピーが共演したこのアルバムは、ビバップの精髄と言えるでしょう。高速で複雑なコード進行に乗って、二人のソロが縦横無尽に飛び交います。特に「Leap Frog」1は、パーカーのアルトサックスとガレスピーのトランペットが絶妙な掛け合いを見せる名演です。ドラムはバディ・リッチが担当しており、彼のテクニックとパワーも圧巻です。ビバップのスリルとスピードを味わいたいなら、このアルバムは外せません。

2. Charlie Parker with Strings

ストリングスとの美しい調和

パーカーはビバップの先駆者であると同時に、ジャズの可能性を広げる実験家でもありました。彼はクラシックのストリングスとジャズの融合に挑戦し、このアルバムを制作しました。ストリングスの美しいアレンジに乗って、パーカーはスタンダード曲を優雅に吹きます。彼のアドリブは原曲に忠実でありながら、独創的であります。特に「Just Friends」2は、パーカーの代表曲の一つとして知られています。このアルバムは、パーカーの柔らかな一面を感じることができる作品です。

3. The Complete Savoy Sessions

パーカーの全盛期

パーカーの全盛期と言われる1940年代後半の録音を集めたこのアルバムは、パーカーのファンにとっては必聴の作品です。サヴォイ・レーベルでのセッションでは、マイルス・デイヴィスやバド・パウエルなどの名プレイヤーと共演しました。このアルバムには、パーカーの代表曲である「Koko」3や「Donna Lee」4などが収録されています。パーカーのアドリブは、テーマを素早く変奏し、驚くべきスピードとキレで展開します。ビバップのエキサイティングさを存分に味わえるアルバムです。

4. Bird Is Free

ライブでのパーカー

パーカーのスタジオ録音は素晴らしいですが、彼の真骨頂はライブでの演奏にあります。このアルバムは、1952年に行われたライブ・セッションの記録です。パーカーはワン・ホーンで延々と吹きまくり、そのアイデアの豊かさと表現力に圧倒されます。特に「Lester Leaps In」5は、パーカーのアルトが炸裂する名演です。音質は良くありませんが、パーカーのライブの迫力と魅力を感じることができるアルバムです。

5. Charlie Parker on Dial: the Complete Sessions

パーカーの苦悩と光芒

パーカーはジャズの天才であると同時に、ドラッグやアルコールに苦しむ人間でした。彼の苦悩と光芒が交錯するのが、ダイアル・レーベルでのセッションです。このアルバムには、パーカーの傑作である「The Famous Alto Break」や「Chasin’ the Bird」などが収録されています。パーカーのアルトは、鳥のように自由に飛び回り、驚異的なインプロビゼーションを繰り広げます。しかし、このアルバムには、パーカーがドラッグの影響で演奏できなかったり、録音中に倒れたりしたという悲劇的なエピソードもあります。パーカーの人間的な一面を知ることができるアルバムです。

まとめ

チャーリー・パーカーは、ジャズの歴史において最も重要なミュージシャンの一人です。彼の演奏は、ジャズの可能性を広げ、多くの後続のミュージシャンに影響を与えました。彼の名盤は数多くありますが、今回はその中から5枚を選んで紹介しました。パーカーの音楽は、ビバップのスリルとスピード、ストリングスとの美しい調和、ライブでの迫力と魅力、苦悩と光芒など、様々な魅力を持っています。パーカーの音楽を聴くことは、ジャズの本質を知ることにもつながります。ぜひ、このエッセイを参考にして、パーカーの音楽に触れてみてください。