【記事一覧】ジャズピアノ中級理論編【まとめ】
⇒1.チャーチモード
⇒2.チャーチモード続き
⇒3.ダイアトニックコードで使えるスケール
⇒4.セカンダリードミナントで使用できるスケール
⇒5.ナチュラルマイナーの場合はエロイドフリミ
【パラレルメジャー】平行調の同主調、同主調の平行調、短三度転調(ジャズピアノ中級理論編13)
パラレルメジャー(平行短調の同主長調)
Sir Duke
Stevie Wonderの名曲、Sir Dukeのサビのコードを聴いてみましょう。
F#m7は何者??
#IVm7(b5)なら、リディアンモードからのモーダルインターチェンジで存在しましたが、、。
#IVm7を持つモードを探してみましょう。
Cから始まるスケールで、F#m7を持つモードを探しましょう。
問題発生!
7音のスケールは基本名前の重複がNGだったよね?
ということは、モーダルインターチェンジ上に#IVm7は存在しないということですね。
C目線ではなく、A目線で捉えよう。
Cを主音にもつモードではF#m7を作ることが出来ませんでした。
ではどうするか?
平行調目線でコードを探してみなよ!
A目線ならVIm7
A目線で考えると、F#m7はVIm7であることが分かります。
短三度下のメジャーキーから借りてきていたんだー!!
このように、平行調を使えば短3度下を主音にして考えてもよさそうです。
短3度下のメジャーキーのことを、パラレルメジャーと呼ぶことがあります。
その他のコードをA目線で捉えると?(パラレルメジャー)
Sir Dukeのコード進行ですが、F#m7で突然平行調のVIm7に行ったと考えるのではなく
A目線でも見てみましょう。
Aナチュラルマイナーのダイアトニックコードになるんだね!
CM7はbIIIM7、
FM7はbVIM7
Dm7はIVm7
G7はbVII7になりますね。
ずっとA目線での分析法
どちらもできるといいね!
同主調の平行調
次はマイナーブルースやマイナーキーの曲に出てくるbVI7を分析してみましょう。
GマイナーキーだったらEb7
枯葉の最後の方にもあるよね!II7の裏コードだと思ってた!
bVI7はモーダルインターチェンジのコード?
bVI7のコードトーンはキーの1,b3,b5,b6を持ちます。
ロクリアンモードは基本的には借用元のモードにはなれないんだ。
完全5度を持たないモードからコードを借用することはできません。
結論:bVI7は(普通の)モーダルインターチェンジで解釈することはできない
マイナーキーの平行調の同主調
Gマイナーキーの平行調はBbメジャーキー
Bbを主音にしたモーダルインターチェンジを考えると、Eb7が見つかりそうです。
IV7はドリアンかメロディックマイナーに存在するんだっけ!
このように、主音の短三度上の音でモーダルインターチェンジを考えることもOKです。
いろいろなモードの平行調
Cイオニアンモードの平行調⇒Aエオリアンモード
このように、メジャー系モードは短三度下のマイナー系モードの
モーダルインターチェンジでも解釈する事が出来そうです。
マイナー系モードは短三度上のメジャー系モードで解釈できます。
Cフリジアンモード⇒Ebミクソリディアンモード
例えばⅮ♭M7が出てきたときに、bIIM7と解釈するのか、Eb目線でbVIIM7と解釈するのか、
どちらでもいいということですね。
Cリディアンモード⇒Aドリアンモード
どちらでもいいということだね!
Cリディアンオーグメント⇒Aメロディックマイナーモード
リディアンオーグメントは完全5度を持たないモードだから、
そもそもモーダルインターチェンジの借用元にはならないという説もあったね。
平行調のAメロディックマイナーのIV7(#11)と考えた方がいいのかもね!
Cロクリアンモード⇒Ebドリアンモード
厳密に言うと平行調ではありませんが、、。
Cロクリアン♯2⇒Ebメロディックマイナーモード
同様に♭を持たないため短三度上目線で解釈しましょう。
まとめ
Cメジャーキーの曲でも
平行調の同主調⇒Aメジャー
同主調の平行調⇒Ebメジャー
つまり元のキーから短三度上下のキーからコードを借用することが出来ます。
そしてスムーズに元のキーに戻って来ることも容易です。
wikipedia 5度圏より引用
「これはIVm7?それとも短三度上のIIm7かも?」みたいに
分析におすすめの曲
ロバート・グラスパー(PF/Key)の曲にはこのテクニックが多く使用されています。
Rise and Shine
F.T.B
ハービー・ハンコック
Butterfly
Cantaloupe Island
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