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ジャズピアノレッスン

ベニー・グッドマンの名盤5選 | ジャズピアノのはじめかた

ベニー・グッドマンは、スウィング・ジャズの時代において最も人気と影響力を持ったクラリネット奏者であり、バンドリーダーでした。彼は、白人と黒人のミュージシャンを混成した最初のビッグバンドを率いたことで、音楽界における人種の障壁を打ち破りました。彼は、ジャズのみならず、クラシックやフォークなどの他の音楽にも挑戦し、多彩な音楽性を見せました。このエッセイでは、ベニー・グッドマンの膨大な作品の中から、私が特におすすめする名盤5枚を紹介します。

The Famous 1938 Carnegie Hall Jazz Concert (1950)

ジャズの殿堂入り

このアルバムは、ベニー・グッドマンが1938年にニューヨークのカーネギー・ホールで行った歴史的なコンサートの録音です。このコンサートは、ジャズがクラシックやオペラなどの高尚な音楽と同等の扱いを受けた最初の例であり、ジャズの社会的地位を高めた出来事でした。ベニー・グッドマンは、自身のビッグバンドやカルテット、さらにはカウント・ベイシーやレスター・ヤングなどのゲストと共に、スウィング・ジャズの名曲を熱演しました。このアルバムは、ジャズの歴史において最も重要なドキュメントの一つと言えるでしょう。

収録曲

Don’t Be That Way
One O’Clock Jump
Sensation Rag
I’m Coming Virginia
When My Baby Smiles at Me
Shine
Blue Reverie
Life Goes to a Party
Honeysuckle Rose
Body and Soul
Avalon
The Man I Love
I Got Rhythm
Blue Skies
Loch Lomond
Blue Room
Swingtime in the Rockies
Bei Mir Bist Du Schoen
China Boy
Stompin’ at the Savoy
Dizzy Spells
Sing, Sing, Sing
Big John’s Special

メンバー

ベニー・グッドマン (クラリネット、バンドリーダー)
ハリー・ジェイムス (トランペット)
ジグgy・エルマン (トランペット)
クリス・グリフィン (トランペット)
ヴァーノン・ブラウン (トロンボーン)
マーレイ・マクイーカーン (トロンボーン)
ハイミー・シャートザー (アルト・サックス)
ジョージ・カーター (アルト・サックス)
アーサー・ロリンズ (テナー・サックス)
バブ・ルッソ (テナー・サックス)
ジェス・ステイシー (ピアノ)
アラン・ライス (ギター)
ハリー・グッドマン (ベース)
ジーン・クルーパ (ドラムス)
ライオネル・ハンプトン (ヴィブラフォン)
テディ・ウィルソン (ピアノ)
フレディ・グリーン (ギター)
ウォルター・ペイジ (ベース)
ジョー・ジョーンズ (ドラムス)
カウント・ベイシー (ピアノ)
レスター・ヤング (テナー・サックス)
バック・クレイトン (トランペット)
ボビー・ハケット (トランペット)
ジョニー・ホッジス (アルト・サックス)
ベニー・カーター (アルト・サックス)
バーニー・ビガード (クラリネット)
コールマン・ホーキンス (テナー・サックス)
ベイビー・ドッズ (ドラムス)

Benny Goodman and His Orchestra Featuring Great Vocalists (1995)

スウィング・ヴォーカルの魅力

このアルバムは、ベニー・グッドマンが1930年代から1940年代にかけて録音したヴォーカル入りの曲を集めたものです。ベニー・グッドマンは、自身のビッグバンドやカルテットと共に、ビリー・ホリデイ、ヘレン・ウォード、ミルドレッド・ベイリー、ペギー・リーなどの素晴らしい歌手たちとコラボレーションしました。彼らは、スウィング・ジャズのリズムやハーモニーに乗って、情感豊かに歌いました。このアルバムは、スウィング・ヴォーカルの魅力を堪能できる名盤です。

収録曲

These Foolish Things
You Turned the Tables on Me
Goody Goody
He Ain’t Got Rhythm
This Year’s Kisses
Why Don’t You Do Right?
How Long Has This Been Going On?
I Got It Bad (And That Ain’t Good)
Somebody Nobody Loves
How Deep Is the Ocean?
There’ll Be Some Changes Made
I’ve Got a Date with a Dream
And the Angels Sing
Taking a Chance on Love
The Glory of Love
It’s Been So Long
Stompin’ at the Savoy
Don’t Be That Way

メンバー

ベニー・グッドマン (クラリネット、バンドリーダー)
ビリー・ホリデイ (ヴォーカル)
ヘレン・ウォード (ヴォーカル)
ミルドレッド・ベイリー (ヴォーカル)
ペギー・リー (ヴォーカル)
その他ベニー・グッドマン・オーケストラのメンバー

Benny Goodman Sextet Featuring Charlie Christian (1972)

このアルバムは、ベニー・グッドマンが1939年から1941年にかけて録音したセクステットの曲を集めたものです。ベニー・グッドマンは、自身のビッグバンドやカルテットの他に、セクステットという小編成のグループを結成しました。このグループの特徴は、エレクトリック・ギターをフィーチャーしたことです。エレクトリック・ギターは、当時まだ新しい楽器でしたが、ベニー・グッドマンは、チャーリー・クリスチャンという若くて才能あるギタリストを発掘し、彼にソロやリフの重要な役割を与えました。チャーリー・クリスチャンは、エレクトリック・ギターの音量や音色をコントロールし、ビバップの影響を受けた複雑でスピーディーなフレーズを弾きました。彼は、エレクトリック・ギターをジャズの主要な楽器に押し上げることに貢献しました。このアルバムは、エレクトリック・ギターの革命という意味で、ジャズの歴史において重要な名盤です。

収録曲

Flying Home
Rose Room
Seven Come Eleven
Till Tom Special
Gone with “What” Wind
Grand Slam
Six Appeal
Wholly Cats
Royal Garden Blues
As Long as I Live
Benny’s Bugle
Breakfast Feud
I’ve Found a New Baby
Solo Flight
Air Mail Special
On the Alamo

メンバー

ベニー・グッドマン (クラリネット、バンドリーダー)
チャーリー・クリスチャン (エレクトリック・ギター)
ライオネル・ハンプトン (ヴィブラフォン)
テディ・ウィルソン (ピアノ)
カウント・ベイシー (ピアノ)
アート・タタム (ピアノ)
ジョージ・ヴァン・エプス (ギター)
ジョニー・グイン (ギター)
ハリー・グッドマン (ベース)
アート・ベイシー (ベース)
ジーン・クルーパ (ドラムス)
ニック・ファトゥーロ (ドラムス)
ケニー・クラーク (ドラムス)
カスター・ワシントン (テナー・サックス)
ジョージ・アウルド (テナー・サックス)
チャーリー・シェイヴァース (トランペット)
カール・ウォルター (トランペット)

Benny Goodman Plays Mozart (1956)

クラシックへの挑戦

このアルバムは、ベニー・グッドマンがクラシック音楽に挑戦した作品です。彼は、モーツァルトの「クラリネット協奏曲」と「クラリネット五重奏曲」を演奏しました。これらの曲は、クラリネットのために書かれた最も美しいクラシック音楽の一つと言われています。ベニー・グッドマンは、ジャズのクラリネット奏者としての名声を得た後に、クラシック音楽にも興味を持ち、練習や勉強を重ねました。彼は、ジャズとは異なる音楽のルールや表現法にも挑戦し、自身の音楽性を広げました。このアルバムは、ジャズとクラシックの境界を越えたベニー・グッドマンの挑戦という意味で、興味深い名盤です。

収録曲

Clarinet Concerto in A Major, K. 622: I. Allegro
Clarinet Concerto in A Major, K. 622: II. Adagio
Clarinet Concerto in A Major, K. 622: III. Rondo. Allegro
Clarinet Quintet in A Major, K. 581: I. Allegro
Clarinet Quintet in A Major, K. 581: II. Larghetto
Clarinet Quintet in A Major, K. 581: III. Menuetto
Clarinet Quintet in A Major, K. 581: IV. Allegretto con Variazioni

メンバー

ベニー・グッドマン (クラリネット)
ボストン交響楽団 (オーケストラ)
チャールズ・マンチ (指揮)
バッド・シャーマン (ヴァイオリン)
ジョセフ・ロイスマン (ヴァイオリン)
ミルトン・カッツ (ヴィオラ)
ミッシャ・シュナイダー (チェロ)

Benny Goodman Today (1970)

スウィングの復活

このアルバムは、ベニー・グッドマンが1970年にストックホルムで行ったコンサートの録音です。この時期、ベニー・グッドマンは、ジャズの流行が変わっても、スウィング・ジャズのスタイルを貫いていました。彼は、自身のビッグバンドやカルテットと共に、スウィング・ジャズの名曲や新曲を演奏しました。彼のクラリネットは、依然として鮮やかで力強く、スウィングのリズムやハーモニーに乗って、聴衆を魅了しました。このアルバムは、スウィング・ジャズの復活という意味で、楽しくて元気の出る名盤です。

収録曲

Let’s Dance
Don’t Be That Way
Honeysuckle Rose
The World Is Waiting for the Sunrise
If I Had You
Avalon
Stompin’ at the Savoy
How High the Moon
Memories of You
One O’Clock Jump
Goodbye
Poor Butterfly
Sing, Sing, Sing
Big John’s Special
Goodbye

メンバー

ベニー・グッドマン (クラリネット、バンドリーダー)
ジミー・マクスウェル (トランペット)
ジョン・ファディス (トランペット)
ジミー・ノッティンガム (トランペット)
ウェイン・アンドレ (トロンボーン)
エディ・バート (トロンボーン)
ボビー・プリング (トロンボーン)
ディック・ハフ (トロンボーン)

ジェリー・ドッドジョン (アルト・サックス)
フィル・ウッズ (アルト・サックス)
ザビア・カガット (テナー・サックス)
ルー・タバッキン (テナー・サックス)
ピーター・アップルボーム (バリトン・サックス)
テディ・ウィルソン (ピアノ)
ビル・マクギル (ピアノ)
バリー・ガラブレイス (ギター)
モンティ・バドウィック (ベース)
メル・ルイス (ドラムス)
マリー・グッドマン (ヴォーカル)

まとめ

このエッセイでは、ベニー・グッドマンの名盤5枚を紹介しました。彼は、スウィング・ジャズの時代において最も人気と影響力を持ったクラリネット奏者であり、バンドリーダーでした。彼は、ジャズのみならず、クラシックやフォークなどの他の音楽にも挑戦し、多彩な音楽性を見せました。彼の音楽は、今でも多くの人々に楽しみや感動を与えています。ベニー・グッドマンは、ジャズの歴史において最も重要なミュージシャンの一人です。彼の音楽を聴いて、彼の才能や魅力に触れてみてください。